急性期のリハスタッフが知っておきたいDPC制度について
急性期のリハスタッフが知っておきたい制度としてDPC(Diagnosis Procedure Combination)があります。
DPC制度とは
急性期入院医療を対象にした1日あたりの定額医療費制度で、平成15年に導入されました。
適用対象は、入院医療費のうち、入院基本料、投薬、注射、画像診断などが含まれています。一方で、手術や一部の検査、リハビリテーションは従来通りの出来高払い方式となっています。
飲食店に例えると、これまですべて単品で料理を提供していたお店が、セットメニューを定額で提供し、セットメニューに含まれていない料理を追加で注文するイメージです。
導入の背景には、
・医療費の高騰
・病院ごとに提供する医療にばらつき
などがあり、それらを是正するため導入されたようです。
DPCの算出方法
DPCは、疾患ごとに決められる診断群分類係数に、施設ごとに異なる係数(医療機関別係数)を掛けて診療報酬が決められます。
つまり、医療機関別係数が大きいほど、報酬も大きくなります。
この係数は以下の8項目から算出されます。
①保険診療係数
➤ DPC対象病院における、質が遵守されたDPCデータの提出を含めた適切な保険
診療実施・取組・公表を評価
②効率性係数
➤ 各医療機関における在院日数短縮の努力を評価
③複雑性係数
➤ 各医療機関における患者構成の差を1入院あたり点数で評価
これは、重篤な疾患であり一般的に医療資源投入量が多くなる患者さんを積極的に受け入れる病院を評価するということのようです
④カバー率係数
➤ 様々な疾患に対応できる総合的な体制について評価
⑤救急医療係数
➤ 救急医療(緊急入院)の対象となる患者治療に要する資源投入量の乖離を評価
これはどれだけ救急患者を受け入れているかを評価することのようです
・地域医療係数
➤ 地域医療への貢献を評価(中山間地域や僻地において、必要な医療提供の機能
を果たしている施設を主として評価)
・後発医薬品係数
➤ 各医療機関における入院医療に用いる後発医薬品の使用を評価
・重症度係数
➤ 診断群分類点数表で表現しきれない、患者の重症度の乖離率を評価
急性期のリハ職に求められていること
これらを踏まえると、急性期のリハスタッフとして意識するべきことは、、、
・在院日数の短縮に貢献
・早期からのリハビリ介入の実現
・様々な疾患への対応を実現
・救急医療へのリハビリとしての貢献
・後方支援病院や地域との連携
・在宅復帰率向上
などがあると考えます。
まとめ
これらを理解すると、病院が在院日数の短縮や救急患者の受け入れ、地域医療への貢献などに注力している理由が分かってきます。
ただ、自分のやりたいことを押し出していくのではなく、制度について理解して、病院が向かっている方向性を理解することが重要だと改めて感じました。